『 暮らしの中で 』作詩:五十嵐精一
街に吹く風が頬をなでる
また曇り空で1日は終わり
決まっていたようで何故か哀しい
ビルの前に佇む女(ひと)の髪がなびく
秋なのに今まだ夏の香り
長雨 降り続いていたから 妙に暖かい
とてもちいさな出来事で
明日が決まるようで何故か怖い
シャツのボタンひとつはずす
難しいことが先立ってしまって
Woo− Woo−冷たいビルの灯り消える
どうして 人々は決められたレールの
上しか走れないのだろう
Woo− すべて人間なんて・・・・・
駅に人々は戻ってゆく
この大都会の片隅で
今 僕は1人佇んでる
とても数えきれないほどの
たくさんの時を過ごした
過去の思い出は振り切るだけ
本当に疲れてしまった
生きることに先立ってきたから
こんな暮らしの中で僕は
明日から時に身を任せながら
Woo− Woo−暮らしを暖め生きてゆこう
風がまたひとつ僕の街に
吹き荒れてゆく暮らしの中で
Woo−街に季節が訪れるだろう
1977年作品
The Poetic Works of Seiichi Igarashi