『 Travis 』 作詩/作曲:五十嵐精一
彼 Travisは
満たされない心を
抱えて生きている
ふたつ目の仕事を終え
今日も最終電車に
揺られて行く
哀しい仕事場だけの街が
電車の窓から流れる景色で
一日の疲れを癒しているのが分かる
恋をすれば十分すぎるほど
うまくゆく彼が女性(おんな)を愛さなくなった
彼 Travisは
今の体制に対して
変革を望んでいる
朝、眩しい光りで目覚め
疲れた心と体で
一日を始める
色褪せ加工される街を
愛しているのは自分の心と
似ているのが街の呼吸でわかるのだろう
存えることは汚れることだと
彼はもう とうに気づいている
1982年作品
The Poetic Works of Seiichi Igarashi