No.59 『 夏に隠れて 』

kneedrop22010-08-29

『 夏に隠れて 』
作詩:五十嵐精一


君は北の生まれで都会の暑さが
耐えられないって困ってたね
だけど僕の部屋は真夏の8月でも
心さえも凍えてしまう氷細工の部屋


僕は君に愛を告白したけれど
君は僕に振り向きもしなかった


だから今夜 転びそうな姿勢で
ひとり 街でヨロメキながら
夏に隠れて 夏に隠れて旅に出る



君は田舎に住んでて東京の人工美に
憧れちゃうってときめいてたね
だけど僕の住む都市(まち)は夜の9時でも
猫の子一匹、現れないシークレットタウン


君は僕についてゆくといったけれど
僕は君を相手にもしなかった


だから今夜 重たい気分で
ひとり 街にセキタテられるように
夏に隠れて 夏に隠れて旅に出る



僕は君に愛を告白したけれど
君は僕に振り向きもしなかった


だから今夜 転びそうな姿勢で
ひとり 街でヨロメキながら
夏に隠れて 夏に隠れて旅に出る


      1983年作品
























































The Poetic Works of Seiichi Igarashi