No.83 『 冬の海辺  』 

kneedrop22012-12-05

『 冬の海辺  』 
    作詩:五十嵐精一


波打ち際に立って
遠くの船を見てる
生きることはつらいし
ひとりは淋しい
そんな時 潮の香りはいい
こんな時 カモメになりたいと想う
空も町もゆっくり暮れて
紫色の雲が浮かんでいる

                   
粉雪が灰色の
空から落ちてくる
冬の海辺には誰ひとり
訪れる人はいない
そんな時 海風はやさしい
こんな時 カモメになりたいと想う
船が港に着く頃は
空にひとつずつ星が光る

       
        1977年作品





The Poetic Works of Seiichi Igarashi