『 吠える街(Bark Town) 』
作詩:五十嵐精一
夜明け前のハイウェイに
無数のライトが連なる
今では決して揺れることなく
波は都会に届かない
幾度も壁は塗り替えられて
吠えてる街はRhythmを刻む
足を踏み外したら最後で
今では決して還ることなく
日陰で暮らす毎日
午後の騒音に悩もうともせず
心を街に吸いとられている
夕暮れに透明にちかい雨が
灰色の空から散ってくる
今では決して忘れることなく
心は今だ繕えない
幾度もビルの谷間に向かって
大声で叫んでみても響かない
静けさをとうに忘れている街だから
今では決して嫌うことなく
流れにまかす毎日
吠えてる人は都会を好む
誰ひとり似合わないのに
1979年作品
The Poetic Works of Seiichi Igarashi