『 暮冬の中で 』
作詩:五十嵐精一
街の木の葉が木枯らしにまかれ
風花が落ちてくる頃
いつしか冬構えている街
都会に朝が来るとビルは凍えていて
海を越えて射す光は
街を薔薇色に染める
海を越えて吹く風は
とても冷たく冬京を包む
君はこんな都会の中で
いつのまにか大人になる
新しい暦も部屋に飾られ
まだ寒い冬京で年を迎える
やがて冬も暮れて
北の湖のほうでは
白鳥も飛び立ってゆく
1978年作品
The Poetic Works of Seiichi Igarashi